Video is meeting / at random

Exhibition datail

Direction:三浦伸吾

Artist:大山辰時、柏屋拓哉、栗原千亜紀、小林美帆、塩見真由、高橋育也、武井賢人、田中浩美、長尾郁明、古澤淳、森健太郎

 

Date:2014/3/17^21

Day time/Am1:00^7:00 

Night time/Am7:01^12:59(no sound)

 

Art space Kaikas’ 入り口のシャッター部分にモニターを設置し、道路側に向けて複数の短編映像を連続して流していきます。本企画では、住宅地を行き交う人たち、Kaikas’前を通り過ぎる人たちを主な鑑賞者としてターゲットにしぼり、道路に向けられたモニター前を通り過ぎる短い時間の中で一つの映像作品に出会う機会になればと考えています。 

本企画の住宅地に放たれる映像作品は、出来るだけジャンルレスに収集しランダム性をもって構成していきたいと思います。これら映像作品の羅列と鑑賞者との出会いは、偶然という要素が多分に含まれるものになるでしょう。本来、アートに限らず映画、音楽、小説などのあらゆるジャンルの作品というある種の成果物に出会うというのには、ある程度の自意識による行動を伴います。「美術館に誰それという作家が展示しているから、観に行こう」とか「youtubeであのバンドのPV を検索してみよう」など目的をもって出会うべくして出会い、場が生まれます。そうした出会いは彼ら鑑賞者にとって経験として根付き、記憶として強さをもったものになるでしょう。本企画ではそうした自意識による導きは避け、日常の生活空間にモニターをおいて鑑賞者と作品が無意識の中に出会い続けるというところに重点をおいていきます。もしかしたらそうした出会いというのは非常に弱々しいものになるかもしれません。しかし、弱さゆえに近所に存在しつづけ生活の中に浸透し作品として発信でき
るのかもしれません。 

日常生活における映像作品との無意識による出会い、それら異物として存在する映像作品たちはどこまで鑑賞者の中に介入できるのか、そういう問題を孕みつつ本企画をスタートさせていきたいと思います。 

文章/ 三浦伸吾