流れと傾き

園田将久 Sonoda Masahisa

 自分の制作の基本は、その場にあればいいと思うものを作ることだ。その場にあればいいと思うものとは何か目的を果たすためのものであり、初めて作ったものはアトリエのハンガーラックだった。それが絵を描くための道具になり、キャンバスを貼るための道具や、穴をまっすぐ開けるための道具などになっていった。既製品で売っていても買えないものや、既製品にないものは作るしかないものだった。そんな風に、何かあればいいが作るしかないものを作ることがを制作の基本となっていった。

 このように制作していった中で座椅子を作ったことがあった。自分は座椅子のつもりで作ったのだが、それを見た人には床に埋まった椅子のように見えると言われた。自分には、人によって見え方が異なることが面白かった。より埋まったものあるいは傾いたものはどう見えるのか、傾いて埋まっているような形の家具を並べたらどう見えるのか試してみたいと思った。

 今回は傾いた家具と合わせて、大きな装置も作ることにした。夏、この場所は風がなく、熱気が溜まって暑かった。だからこの場所に風の流れがあればいいと思い、風を送る装置を作ることにした。

2020.09.21(Mon) - 10.04(Sun)

13:00 - 18:00